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「無垢の家」の定義

昨今、「無垢の家」という言葉は、当たり前のように住宅市場では使われています。
私が建築に携わり始めた30年前は、新建材が建築市場を席捲しており、
構造部分はまだまだ無垢材が主流だったものの、
仕上材には「新建材」と言われる材料が多く使われておりました。

それからしばらくして、構造材に「集成材」が使われるようになり、
徐々に建築市場に浸透していき、仕上材に使われている新建材と共に、
「接着剤」の問題が浮き彫りになり、「ホルムアルデヒド」だの「シックハウス症候群」だのと
騒がれるようになったのも最近の出来事なのに、随分昔に感じてしまいます。

その頃からでしょうか?
「新建材」の対義語として、徐々に「自然素材」という言葉が一般的に浸透していき、
今では当たり前のように使われています。

では、「無垢の家」の定義とは何でしょう?
構造部分だけをとっても…
・国産無垢材が使われている。
・外国産材も含めた無垢材が使われている。
・集成材も無垢材を貼り合せたものだから無垢材として許容する。
ましてや、仕上材に関しては…
・床材だけが無垢材で、壁や天井はビニールクロス。
・床、壁、天井は、自然素材だが、建具や家具は新建材。
・仕上は全て自然素材だが、下地は石膏ボード(新建材)。

私が少し思いついたものを羅列しただけでも、全く統一性が無いことに気が付いて頂ける筈です。
住まいを考える方々は、何をもって「無垢の家」として見ているのでしょうか?
人それぞれ基準が違うのは当たり前なので、統一する事は無理ですが、
それを耳にしている方々は、SNSが浸透した現在でも、「素人」だという事です。
ましてやSNSで発信しているインフルエンサーやYouTuberですら大半が素人だという現実。
何を信じて、何を信じてはいけないのかすら、わからなくなっているのが現状だと思います。

そんな現代で、住まいを考える時に明確にしておいて頂きたいのは、
「自分達の住まいに対する思想」は何なのかという事です。

そして、その思想と要望を設計者や担当者に明確に伝え、
舵取りとしてもらうのが一番良い方法だと思います。

私の建築物に対する思想は、全ては「バランス(調和)」だと思っています。
何処からか切り取ったものを取ってつけたとしても、
・その空間に合っているのか?
・他に悪影響を及ぼさないか?
・予算的に大丈夫なのか?
・もっと違う良い提案は出来ないか?
・構造的に大丈夫か?…等
様々な観点からバランスを保つ必要がある筈です。

「無垢」という言葉に踊らされ、本質を見失わない事を切に願います。
一般的に使われている「無垢」とは、単なる素材の事でしかなく、
その素材が住み心地の全てを決定付ける要素にはなりえないという事です。

謳い文句の様に使われる「無垢の家」が、
あなたにとっての「無垢の家」であるとは限らない事を念頭に入れて、
これから設計者・工務店選びをしてみてください。

島田市、菊川市、掛川市、牧之原市、御前崎市で注文住宅をお考えの方は、アーキウェルワークス一級建築士事務所までお気軽にお問い合わせください。

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