時代と共に「和室」に求められる事やイメージや雰囲気は変化しています。
一昔前の「和室」に求められていた事とは…
・来客時の接待空間
・冠婚葬祭等の祭儀場
・主寝室 …等
主には、住まい手が日常使う用途よりも来客時の用途に対して備えられていました。
昨今では、「和室」に対するイメージもポジティブなものよりも
・伝統的
・古臭い
・格式高い …等
ネガティブがイメージが先行している気がします。

では、実態はどうなのかというと、
ある調査機関の2024年10月時点での統計では、
和室のある住まい ⇒ 70%
和室のない住まい ⇒ 30%
と、ない住まいの方が圧倒的に少ないことが分かります。
しかし、これは新築したばかりの世帯やこれから新築する世帯を対象にした調査ではなく、
現在の住まいについての調査の為、このような結果が出ていると想像されます。
その反面、もし今後家を建てる場合、和室を設置したいですか?という質問への回答は、
設置したい・どちらかと言えば設置したい ⇒ ≒70%
設置したくない・どちらかと言えば設置したくない ⇒ ≒30%
と、私的には意外な数字が見て取れました。
この数字には、30年以上住宅に携わって来た私の実感としては、カラクリがあります。
私たちの様な建築の専門家にとっての「和室」と、
現代の住まい手にとっての「和室」には、大きな差異が生じているという事です。

では、現代の住まい手が求める「和室」とは何なのか?
・多目的に使用できる空間
・静かで落ち着いた空間
・デザインを全体の空間に調和させる
・将来の同居に備え、可変できる空間 …等
上記以外にも様々ですが、
要するに、上記の要件等を満たす事が出来れば、「和室」が欲しいという事なのでしょう。(笑)
決して、昔の様な来客に向けた空間が欲しいのではなく、
あくまでも日常でも自分達にとっても使い勝手が良く、
それと同時に来客時にも対応できるモダンな雰囲気といったところでしょう。

現代の住まい手にとって、専門家が思う「和室」という凝り固まった概念ではなく、
「洋間に畳が敷いてある」くらいの気持ちが丁度良いのだと思います。
勿論、昔ながらの「和室」は、その役目を終えたわけではなく、
それらを必要とするところで、生き続けなければならないとも思いますが…。
まだまだ和室の存在意義は、形を変えながらも伝承されていく筈です。
