現代では、「間取り」というと、部屋の配置を現す言葉として使われていますが、
もともとは、柱と柱の間の距離を指す「間(ま)」と、
配置や区切りを意味する「取り」が組み合わさったものなんだそうです。
コラムを書いていると、ためになるかどうかは別として、知識は増えますね。(笑)
一昔前は、住まいづくりの主役は、住まい手ではなく大工さんでした。
その大工さんがお客様と話し合い(?)をし、
鉛筆をナメナメしながら、間取りを作っていました。
とは言っても、それぞれの大工さんに基本的な考え方があって、
その地域の大工さんに頼むと、良くも悪くも何処もさほど変わりがない住まいでした。

それが、IT社会になり、様々な情報が簡単に手に入るようになると、
今まで、特殊建築物や都市部の超富裕層の住宅設計でしか登場しなかった
「設計士」という存在が認知され始め、最新の情報を入手できる若者を始めとし、
昨今では当たり前のように分業化されてきました。
それまでの住宅業界では、「設計士」なんてものは、大工さんの下請けで図面を作る事が殆どで、
その当時の「設計士」は、きっと肩身の狭い想いをしていたものでしょう。

しかし、その「間取り」が住まいにとってどれだけ重要であるかを本当の意味で理解している人は、
「設計士」以外にはいないと私は思っております。
勿論、それが本業なのですから、そうでなくてはいけないのですが、
情報が散乱しているが故に、間取りの本質も知らずに間取りを描けてしまっているのが実状です。
それは、住まい手でも間取りが作れるという事もそうですが、住宅を専門に扱う住宅メーカーですら、
当たり前の様に「パズル式の間取り」を一営業マンがお客様に提供しているのです。
不特定多数が利用するわけではない住宅は、
「住まい手だけが良ければそれでいい」という思考になり、
素人である住まい手の意見を、100%聞いてあげる事が正義だという風潮があります。
それで作り手側の責任が免れるのであれば、それも一つの回答なのでしょうが、
素人である住まい手の知らない次のステージに誘(いざな)う事こそが、
プロとしての役割だと私は信じております。

設計のプロである「設計士」の描く間取りには全て意味があります。
「パズルをしていったらこうなった」とか、「なんとなくこうした」なんて事は一切ありません。
窓ひとつとっても
・なぜこの位置なのか?
・なぜこの大きさなのか?
・なぜこの開閉の仕方なのか? …等、いちいち理由があります。
ですので、間取りの変更を依頼する前に、事細かく、意地悪く質問してみてください。(笑)
きっと「なるほどねぇ~」という回答をもらえる筈です。
変更依頼はそれからでも遅くはないですから…
